はてブ・ホットエントリにかつての魅力を取り戻すには
はてブのホットエントリに集合知としての価値がないということは、
id:starockerさんの以前のエントリ、「はてブのホットエントリは集合知とは無関係」で述べられており、
私も同意見です。
これに加えて、
id:skusunokiさんのエントリ、「はてなブックマークのランキングはつまらなくなった」でも再び述べられています。
お二人が共に述べられていることは、「集団(Crowds)の独立性・多様性がホットエントリにより失われている。」ということです。
このことにより、何が問題になるのでしょうか?
id:starockerさんは、
「なんでこの記事がネットでホットなものとして扱われているんだろう?」
id:skusunokiさんは、
はてなブックマークのランキングはつまらなくなった。
と述べられています。
つまり、ホットエントリがホットではなくなり、魅力的でなくなっていることが問題です。
では、このような現象が起こる大きな原因は何でしょうか?
私は、単純に「はてブ・ユーザの増加」ではないかと考えています。
注目のエントリやホットエントリに記事がリストアップされるにはアルファ・クリッパーによる初期の発掘があってこそです。
(RSSリーダに多数登録されているようなアルファ・ブロガーのブログはこの限りではありません…)
ユーザが増えることによりアルファ・クリッパーの数も増加するでしょう。
すると、アルファ・クリッパーにより発掘される記事は多様化し、多種多様な記事が注目のエントリにリストアップされます。
意志あるブックマーカー(記事の良し悪しを判断してブクマするユーザ)の数も増加していますので、
ある程度絞られるものの、やはり、注目のエントリにリストアップされた記事の多くがホットエントリにリストアップされます。
この(記事がリストアップされた)時点で集団の独立性・多様性はなくなり、「注目されているので、いちおうブクマしておこう」という、
意志無きブックマーカーにより強化され、長時間に渡りホットエントリに鎮座し、回転率が悪くなるので面白みに欠けます。
また、ある程度ブクマされた記事が、とある拍子にホットエントリに返り咲き、場違いな感じになり魅力的でなくなります。
この問題に対する解決策として、ユーザの意識改革に期待するのは難しいでしょう。
では、どうすればホットエントリにかつての魅力を取り戻せるのでしょうか?
それはホットエントリ(もしくは注目のエントリ)にリストアップされるまでは集合知として、ある程度機能しているところに注目すればよいのです。
ユーザが増えることにより、それほど注目されていない記事でも注目のエントリにリストアップされるようになり、
ホットエントリに格上げされるようになりました。
つまり、1万ユーザ中の3・5人がブクマした記事は注目されているかもしれませんが、
10万ユーザ中の3・5人がブクマしたところで注目されているわけではないのです。
したがって、
注目のエントリにリストアップされる選択圧を強める必要があると思います。
こうすることで、意志無きブクマによるホットエントリへの影響をある程度、排除できるはずです。
次に、ホットエントリの回転率についてですが、
かつては、ユーザが少ないため、ホットエントリにリストアップされる記事の数を増やそうと、
その選択アルゴリズムの時間要素パラメータは甘く設定されていたと思われます。
それに比べ、注目のエントリは回転率が高く、時間要素パラメータは辛目に設定されていると思われます。
ユーザが肥大化した今、記事が容易にホットエントリにリストアップされる現状を認識し、
このパラメータ設定を変更する、もしくは、アルゴリズム自体を見直す必要があるのではないでしょうか。